科学

ケプラー予想 四百年の難問が解けた!証明やっと終わる

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400年の難問、「ケプラー予想の証明」がやっと100%終わったと報じられた。

「ケプラー予想」とは、ギズモード・ジャパン著で天才、無名人の栄光と苦闘を描く感動の数学ドラマだ。

「球は、八百屋に山盛りのオレンジみたいにピラミッド型に並べると一番沢山入る」というコペルニクスが提唱した地動説を、天体運行法則で不動のものにした偉人ヨハネス・ケプラー。

そのケプラーが1611年に提唱した「球は、八百屋に山盛りのオレンジみたいにピラミッド型に並べると一番沢山入る」という説だ。

それが、400年の歳月を経て、100%正しかったことがコンピュータの力で証明されたのである。
コンピュータの登場で初めて正しさが確認されたというから、まさに時代が産んだ発明品である。

この立体最密充填の解答は、誰でも直感的になんとなく正しいことがわかる。

しかし、これをきちんと論理的に100%証明するとなると超厄介で、世界歴代の天才がいくら頭脳を結集しても証明できないままだった。
それで、長年の間「定理」ではなく「ケプラー予想」と呼ばれ続けてきた難題中の難題だ。

証明したのは、米ピッツバーグ大学のトマス・ヘールズ教授。

もともとトマス・ヘールズ教授が「フェルマーの最終定理以来の難問が解けた!」と1998年に発表し、世界中が沸き立ったことがあった。

しかし、これは文章で300ページにも及ぶ遠大な証明であったため、間違いチェックが完全には終わっていなかったのだという。

「ケプラー予想」はなぜ証明に時間がかかるのか?

ここまで読めば想像に難くないとは思うが、「ケプラー予想」ってどういうものですか?
証明に時間がかかったようですがという疑問にお答えしよう。

「ケプラー予想」とは、簡単にまとめると、「同じ半径の球を敷き詰める時、一番隙間が無いのは面心立方格子(サイコロの各頂点と各面の中心に1個ずつ配置)の時」だというものです。

これでは余計に訳が分からないと怒られそうだが、「隙間なく埋める形は何か?」と考えたらよい。
一見したら証明も簡単そうに思えるのだが、そこが難問たる所以である。

感覚的にはそうだろうと誰もが思い、実際にボールを箱に詰めるときなど日常生活でも使われてるが証明はされていなかったのだ。

証明に時間がかかったのは、その範囲があまりにも広かったため、配置パターンは無限にあり、100%完全証明ができないままだったというわけである。

例えばある人が世界一背が高いという事を証明するには、世界中全ての人間の背の高さを調べなければならない。

そういう「量的」な困難があったから時間がかかったのだいえる。

ケプラー予想―四百年の難問が解けるまで

以下、引用

『ケプラー予想―四百年の難問が解けるまで―』
ジョージ・G・スピーロ (著), 青木 薫 (翻訳)

「ケプラー予想」というのは、一九九五年に「フェルマーの最終定理」が解決された後、その後継者とも言われた数学の難問である。
フェルマーの最終定理の後継者であるためには、単に難問であるだけでは資格が足りない。
一見すると簡単そうなのに、軽い気持ちで手を出すと深みにはまって地獄を見る、という性質を備えていなければならない。
「ケプラー予想」はまさにそんな問題だった。